りある♡プリンス
「皆様もうお分かりだと思いますが、今日から高橋まひる様がA組になりました。わからないことがたくさんあるでしょうから、親切にしてくださいね」
そうして、HRが始まった。
ー…授業前の10分休み時間。
「あの…雫さん」
「はい、なんでしょうか?」
隣の雫さんは柔らかい笑顔をあたしに向けて、少し首を傾げた。
「この学園は、女子が多いんですね」
朝歩いている時も、このクラスにも、女子がたくさんいる。
「ええ。326名のうち320名は女子です。女子校に近いですね」
「そうなんですか…」
「特に2年は、このクラスの霧沢翔しか男子はいません」
「えっ?!」
少しだけ声が大きくなってしまった。
その瞬間、みんな振り向く。
「まひるさん」
人差し指を唇に当てる雫さん。
「す、すいません……」
雫さんは、また柔らかく微笑んだ。