りある♡プリンス
「な、なんかないの? なんか」
「………」
翔は少し考える仕草をして、すぐににやりと妖艶に微笑みながらあたしに近づいた。
「なっ、なんかあった?」
どんどん縮まっていく距離に少し動揺しながらも、なんとか平静を装って尋ねた。
「うん。………まひるが、欲しい」
「なっ…!」
額をこつんとつけて、さらに続ける。
「まひるさえいたら、もういいかな」
「ふっ、ふざけないでよ……!」
あたしは翔の胸を強く押して、その場から走り去った。