りある♡プリンス
リムジンには乗らず走って帰ってきたせいで、息は乱れていた。
「はぁ…っ、はぁ……っ」
こんな調子じゃ、欲しいもの聞けないよ…
…あ、欲しいものが言えないなら、好きなものはどうだろう…?
よし、明日こそ………!
「ねぇ、好きなものは?」
「……はぁ? また?」
今度は疑わしそうにあたしの顔を覗き込む翔。
「ね、好きなものくらいあるでしょ」
「………まひる」
「ばっ、ばか!」
なんでそうなるんだ!
あたしは"モノ"じゃないってば!!
「…ねー、ほんとに、真剣に考えてよ」
「………わかった…」
それからしばらく黙って考えていたけど、やがて口を開いた。
「…明日。明日でいい?」
「え…うん」
翔は優しく笑い、あたしの頭をぽんぽんした。
「さんきゅ」