りある♡プリンス




やがて唇を離した翔が、ため息交じりに尋ねた。



「で、それ聞いてどうするつもりだよ?」


「!!」



すいません、それは言えません。




「んで黙ってんだよ? いいだろ言うくらい」


「ごめん! それは言えない。あとでわかるから!」




あたしはなんとかその場を走り去った。





また今日もリムジンには乗らず、お屋敷への道を歩く。



「…はぁ……」


思わずため息。



自分の唇に触れる。


なんで、いきなりキスなんかするの?






そしてどうして、あたしの胸は音を鳴らすの?





それに、なんかモヤモヤする……。


なんなのこの気持ちは………?






あたしはモヤモヤを抱えたまま、紗羅ちゃんのいるメイドの部屋に足を運んだ。




< 79 / 125 >

この作品をシェア

pagetop