りある♡プリンス
やがて唇を離した翔が、ため息交じりに尋ねた。
「で、それ聞いてどうするつもりだよ?」
「!!」
すいません、それは言えません。
「んで黙ってんだよ? いいだろ言うくらい」
「ごめん! それは言えない。あとでわかるから!」
あたしはなんとかその場を走り去った。
また今日もリムジンには乗らず、お屋敷への道を歩く。
「…はぁ……」
思わずため息。
自分の唇に触れる。
なんで、いきなりキスなんかするの?
そしてどうして、あたしの胸は音を鳴らすの?
それに、なんかモヤモヤする……。
なんなのこの気持ちは………?
あたしはモヤモヤを抱えたまま、紗羅ちゃんのいるメイドの部屋に足を運んだ。