りある♡プリンス




「あっ、まひるちゃん!」



紗羅ちゃんは、満面の笑みであたしに駆け寄る。



「ねっ、どうだった? 聞けた?!」


「…あ、うん!」



…今は紗羅ちゃんに協力しなきゃだよね。



少しもやもやは残るけど、あたしは笑顔で答える。





「…クッキー、だって」


「クッキー…?」



…まあ、びっくりするよね。


"欲しいもの"が"クッキー"なんだもん。




「紗羅ちゃん、クッキー作るの上手じゃん! きっと翔さん喜ぶよ」




…あ、あれ、あたし……?


思ってないことが次々と口から出てくる。




「そっかぁ! じゃ、とびっきり美味しいクッキー焼かなきゃ!!」



紗羅ちゃんは気合いを表すためか、腕まくりをした。




「うん! 頑張って!」


「ありがとうっ! まひるちゃん!」





あれ、またあたし………?



なんで?





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