りある♡プリンス
「散歩でもするか?」
翔があたしに尋ねた。
「うん!」
気がつけば、もうすっかり空はオレンジ色に染まりつつあった。
「どう? 気分良くなった?」
翔は、柔らかく微笑んであたしに尋ねた。
その笑顔は、夕日の優しい光に包まれたからか、いつもよりもずっと柔らかく見えた。
その瞬間、あたしの心はまたきゅんと音をたてる。
ほんとに、ほんとになんなんだろう?
最近、あたしおかしいよ。
「しゃー、帰るか。父さん、ああ見えて心配性なんだよ」
「え、そうなの?」
ご主人様って、心配性なんだ……。
意外だな。
「…ん」
「え?」
翔はあたしに右手を差し出した。