りある♡プリンス
「…いいだろ、繋ぐくらい」
そう言った翔の横顔がほんのり染まっている気がした。
それを見て、あたしまで赤くなってしまった。
翔は顔を隠すように下を向いた。
あたしの心はあったかくなる。
「…帰ろ」
あたしがそう言うと、翔は黙って手を繋いだ。
「翔、ありがとう。そして……」
言いかけると、翔は首を傾げた。
「…お誕生日おめでとう!」
「…っ!」
翔はびっくりしたように眉をあげた。
「お前、まひる……なんでそれ…」
翔のびっくり加減が面白くて笑いそうになったので、あたしは手を振ってメイドの部屋に急いだ。