りある♡プリンス



「…いいだろ、繋ぐくらい」



そう言った翔の横顔がほんのり染まっている気がした。


それを見て、あたしまで赤くなってしまった。



翔は顔を隠すように下を向いた。





あたしの心はあったかくなる。






「…帰ろ」



あたしがそう言うと、翔は黙って手を繋いだ。












「翔、ありがとう。そして……」



言いかけると、翔は首を傾げた。






「…お誕生日おめでとう!」


「…っ!」



翔はびっくりしたように眉をあげた。



「お前、まひる……なんでそれ…」



翔のびっくり加減が面白くて笑いそうになったので、あたしは手を振ってメイドの部屋に急いだ。


< 86 / 125 >

この作品をシェア

pagetop