りある♡プリンス
「中学校が同じだったんです。高校入学と共に霧沢財閥のお屋敷でメイドやることになりました、って」
「そうなんですか…!」
中学同じだったんだ……!
「以前は、他にもたくさんメイドさんいらっしゃたようですけど…やめてしまわれたんですよね。この学園の生徒がほとんどだそうですけど」
「えっ…」
ていうかそれ前、紗羅ちゃんに聞いたことある……!
やめたメイドさんのほとんどは、霧沢学園の生徒さんなの…?
「理由はわからないんですけどね。彼女達に聞いても教えてくれなくて。統様や翔に聞いても教えてくれませんし…」
「え、……あ、そうなんです、か」
…ねえ、今、雫さん、"翔"って………
「聞いてみたらいかがですか?」
「え?」
「メイドさんがやめてしまった理由」
あたしもずっと気になっていたけど……
…でも今はちょっと話しづらいというか…
「私には話してくれなくても、まひるさんには話してくれるかもしれませんし」
「…あ…はい…」
あたしは頷いていた。
これを機に、また話したい…。
そんな思いが、あたしの心のどこかにあったんだと思う。