りある♡プリンス
♡7
理由なのです。
ここ最近は、翔と一緒に帰りのリムジンには乗らずに、1人で歩いて帰るようになっていた。
学園から帰ってきたあたしは、まっすぐ翔の部屋に向かった。
"コンコン"
「…どうぞ」
「失礼します」
部屋に入ると、翔は笑った。
「まひるじゃん。どうしたんだよ?」
翔は、いつもと変わらない。
あたしだけだよ、変に意識してるのは。
それに気づいた瞬間、なんか寂しくなった。
翔は「座りなよ」と、あたしをソファに連れた。
「で、どうしたんだよ」
なんか今更、面と向かってこんなこと聞くあたしってどうなの、って思い始める。
でも、その真っ直ぐな瞳に見つめられて、あたしは話した。
「……メイドさん、どうしてたくさんやめちゃったの?」