りある♡プリンス
翔から告げられたのは、あまりにも衝撃的すぎる内容だった。
「…えっ………」
返す言葉が見つからない。
翔はぎゅっとあたしの手を握って、ゆっくりと続けた。
「ここの屋敷のメイドは、小川以外全員、霧沢学園の生徒だった。俺と雫は幼馴染でもあった」
「うん……」
「俺と雫が付き合い始めたって知ったら、あいつら全員、雫に嫌がらせするようになったんだ」
「え……雫さんを?」
翔は苦しそうに眉を顰めた。
翔のこんな表情、見たことない………
翔はあたしの手をさらにぎゅっと握って、あたしを見つめた。
まるで「大丈夫?」って心配するみたいに。
あたしは唇を噛み締めて頷いた。
「俺が、いくらあいつらにやめろって言ってもあいつらやめねぇんだよ。雫も最初は、大丈夫、って言ってたけど、徐々に辛い顔し始めた」