りある♡プリンス
…そのメイドさんたちはきっと、雫さんに嫉妬したんだよね。
でも、なんの罪もない雫さんに嫌がらせするのは最低だよ……
「…だから、あいつらメイド辞めさせて、それと一緒に雫とも別れた」
「えっ」
「これ以上、雫が苦しむのを見たくなかったんだよ。…俺と付き合わなければ、雫は苦しまなかったんだよ」
そんな………
「…それは、違うと思う」
「…え?」
「雫さんは、苦しくても翔の隣にいれたことで楽になってたんじゃないの?」
翔の隣にいれたことが、幸せだったんじゃないの?
「……そうなのか…?」
「うん、きっと」
翔の顔は穏やかだった。
翔は、雫さんをすごく好きだったんだよね。
好きだったからこそ、別れたんだよね。
「……そんなことがあったんだね。ごめんね。話してくれてありがとう」
あたしはソファから立ち上がり、部屋を出た。