〖超短編〗キミが嫌い。キミが好き。
キミとは保育園の頃からずっといっしょ。
幼なじみってほど仲良くしたことは少ない。
だけど、キミはいつも優しくしてくれる。
私は小さい頃から内気で、影が薄い存在だった。
だけど、キミはいつも誘ってくれる。
皆の輪の中へ手を引っ張ってくれる。
隣の席になった時。
先生に当てられ、ページ数が分からなくて困ってたキミ。
私が教えたら、キミの輝く笑顔が見られた。
いつも周りに家来みたいに、友達が必ずいるキミ。
私は家来にはならなかったけど、遠くからずっと見てた。
中学校に入学すると、益々話さなくなった、私とキミ。
時折合うキミの視線。
すかさず逸らす私の視線。
友達から聞いた、キミの「可愛い」。
私に言ってくれた、言葉。
......期待しちゃっても、いいの?