〖超短編〗キミが嫌い。キミが好き。
夏祭り。
キミも私も毎年必ず行く、近所での花火大会。
キミも私も必ず友達と行く、花火大会。
私はキミに見て欲しくって、例年以上に浴衣でオシャレをした。
いつもの、キミと合う視線。
――胸が高鳴る。
でも。
キミの隣には“いつもの”友達がいない。
クラスメイトの女の子。
いつもは見ない、キミの照れた顔。
嬉しそうな二人。
胸が、痛い...。
それからも、ずっとキミのことが頭から離れない。
花火の凄さが分からない。
友達の会話が頭に入らない。
綿あめもかき氷も味が、しない。