あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。2



――次の日。


「おい。百合って!


聞いてんのかよ!?」


「聞いてません。」


「聞いてんじゃねーか。


なに、怒ってんだよ!」


うるさいなぁ。


そりゃ怒るでしょ?


「百合も相変わらず


だねー。付き合って1年半は経


ったんじゃない??


初々しいっつーか。」


クスクスと奈美は笑いながら


喋る。


「奈美、あのね?」


私は下駄箱を開ける。


「百合は、なんつーか


ある意味頑固だよな」


「いんだよ!


それが百合なんだから」


「んじゃ、お前も毎回


キレんなよ。もうちょい


大人になれって?」


爽也と勇輝が言い合い


してるんだけど、私はもう


その話に耳を傾けてなかった。

「で、何なの。


百合、固まって?」


「爆弾でも入ってたぁ??」


千香が楽しそうに


覗いてくる。


「ラブレターじゃん?


今時ラブレター!?すっげ」


「千香うるさい」


まぁ、私も驚いたけど。


こんなの初めてだし…


「またかよ?」


「わっ!」


「動くの早。」


私と千香はいきなり


隣に来た勇輝にビックリ。


「あー、お前ら先


教室行けよ」


勇輝はみんなに言う。


「え~、中身見たいし」


「んだよ。その彼氏の


特権みたいなのは??」


「彼氏の特権だっつの。


ほら、去れ。また後でな」


「え~」


「まぁ、いいじゃん。


行こーよ」


と奈美。


「そだね。じゃあ後でね、


勇輝。」


私は奈美達と教室に


向かおうとする。


「「「「え゛?」」」」


「えっ!?」


何その、全員の目は?


「お前が行って


どうすんだよ。戻って来い」

「あれ、私もじゃないの?」


「百合、やっぱ


抜けてんね…」


なによ、なによ。皆して~


「じゃ、じゃあ


皆あとでね?」


「おぅ」


「ま、ごゆっくり~」


と皆は教室に行った。











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