あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。2
*百合side
また、今日も眠いね。
根詰めすぎかな??
でも受験生だしね~。
「じゃ、行ってきまーす」
「気をつけてー」
いつものお母さんの声が
リビングから響く。
「ちょ、待て百合!
今日こそは俺もっっ」
…ついでにお兄ちゃんの声も。
「充っ、忘れ物!」
「え?うわ、それは
ガチでやべえっ!!ちょ、
母さん投げて!」
「投げちゃダメでしょ、
もぉ~。」
お兄ちゃんの朝は大抵こう。
将来、お兄ちゃんの
お嫁さんになる人は大変
だなぁ。
と、思いながらドアを閉める。
さて、行きま…
「勇輝っ??」
え、何で?
家の前には驚愕な顔の
勇輝がいた。
「どしたのっ?」
「うん…いや、え…
今の声充さんだよな??
…え、ええっ?」
自分で言いながらも驚いてるし
「当ったり前じゃん。
前から言ってるでしょー?
お兄ちゃんはこんなんだって」
ドンマイ、お兄ちゃん(笑)
ボロが出ちゃったねー。
「ま、マジかよ…」
「で。なに?どしたの?
とりあえず、行こーよ」
グイと勇輝の手を引っ張る私。
ガバッ
「へ?」
私は後ろから勇輝に
抱きつかれて驚く。
なんだ、なんだ朝からっ///
「百合…」
「うん?」
「俺…、全然お前のこと
考えてなくて…。悪かった。
俺、お前が最近モテだして
気づいたんだけど百合もずっと
こんな気持ちだったんだな。
なんつーか、悔しいっつーか
妬くっつーか。この…
どうしようもない、もどかしい
気持ち。」
……なんだ。
「んー、そんなの全然
謝らなくていーよ♪
でも、そっかぁ。勇輝
知っちゃったかぁ。欲を言えば
知らないで欲しかったかな?」
勇輝はさっきのお兄ちゃんの
時より、もっと驚いた顔をする
「は?何で??俺は知れて
良かったんだけど…」
えー?
「だってさぁ、そんな気持ち
知ってるのは私だけで十分
だもん。あーあ、私だけの
特権だったのになー(ρΔ;)」
ほんとだよ??