maboroshi .
no.1
━━━━━━━ 12月2日。
冬は、なにとなく人肌が恋しくなる季節。
街はイルミネーションが
あちこちで輝き、
クリスマスカラーへと色づいていった。
私は高校2年の佐倉奈穂(さくら・なほ)。
高校生活満喫なう からの リア充(笑)
12月2日は私の誕生日。
だから、今日は彼氏とデートなんです。
すっごく久しぶりだから、すっごく楽しみ。
なんでか、彼は最近バイトバイトって
忙しそうで‥‥
帰りも一緒じゃなくて。
今は、待ち合わせ場所の駅前に向かう
バスの中。
このバスに彼も乗ってくるらしいから、
今のうちから胸が高鳴っている。
もうすぐで、彼の最寄りのバス停に着く。
私のバスの定位置は、二人席の通路側。
人が少ないときは、窓側に荷物を置き、
広々とくつろぐ。
「あ、」
「お、」
来た。
彼が乗ってきました。
「おはよっ、」
「おはよう」