break-friend
静まり返った工場での
作業中…
刑務官の罵声が響いた。
『2057番!担当台へ!』
「はい!移動します!」
【ケケケ…
野中の爺さんだ】
俺と同じ舎房以外の
受刑者は、何故
野中の爺さんが
呼ばれたのか分からず
興味津々だった。
俺は、刑務官の目を
盗んで、部屋の同衆達に
ウインクした。
『おい!野中!
何で、シャンプーの
代わりにライポンを
持ってきてるんだ!』
工場にいる
受刑者全員の肩が
一瞬、揺れ動いたのが
分かった。
「ぁ…ぁ…え?」
野中の爺さんは
テンパっていた。
『野中!その場で行進!
始め!!!!』
野中の爺さんは
訳も分からず
担当台の前で
行進させられていた(笑)