西澤さんと文子さん
安西家、父帰国。
嵐の前の静けさ
“ふあ~っ・・・おはようございます。”
“おはよう。”
“西澤さん、ぎゅってして・・・いいですか?”
“今日は・・・ずっとこうしていたいです・・・”
“西澤さん・・・私・・・私・・・”
「ぅあ~文子さん!あっ・・・」
西澤の視界に入ってきたのは、午前7時を示した時計だった。
「夢・・・か・・・」
少しがっかりしながらも、昨日のプロポーズを思い出しながら、ベットから這い出し服を着替えた。
その頃、文子は仕事への身支度を整え、メイクをしていた。昨日のプロポーズを思い出すたびに、顔がにやけ、支度がはかどらない。
「あっ!遅刻しちゃう!」
時計を見て、慌てて家を飛び出して行く文子だった。