西澤さんと文子さん
「創輔も智視も文子も、由美子さんも・・・離婚はしてしまったけど、有香さんも里奈ちゃんも、あなたの子供や孫であって、私の子供と孫でもあるの!だから・・・これ以上、子供たちを苦しめるなら、あなたとは離婚します!」
母は、限界を感じていた。
長年の夫に対する不満が、文子のお見合いの件で一気に飛び出したのだ。そして、呆然とする父の目の前に、自分の名前の書かれた離婚届を出した。
父親は、ただ動揺しながらリビングを後にした。
「お母さん・・・」
「いいの、本当のことだから。さ、晩御飯にしましょう!」
そういって、母は離婚届を封筒に入れ、ポケットに入れると、エプロンをつけながらキッチンへと向かって行った・・・。