西澤さんと文子さん
夜11時
文子は、リビングにいた母の隣に座った。
「お父さんいつまでいるの?」
「来週の土曜日まで。」
「お母さん・・・本当に離婚するの?」
「あそこまで言わないと、お父さん変わってくれないような気がしたの。それに・・・本当に考えてるから。」
母は、そういいながらテーブルに置いたマグカップ入りのコーヒーに口をつける。そして、一呼吸置いてから文子にこういった。
「今日ね、西澤さんから電話があったの。ご挨拶をさせて欲しいって。」
「えっ?西澤さんから?」
「うん。それをお父さんが聞いちゃってね(笑)文子を迎えに行ってくるって。」
「兄さんたちはどうして?」
「お母さんから連絡したの。お父さんと大喧嘩になるような気がしたから(笑)」
「そっか・・・」
文子は、西澤からプロポーズを受けたことを母に話した。母は、自分のことのように喜んで「花嫁修業始めないとね。」と文子に伝える。すると、文子はこういった。
「お母さん、お父さんの好きな“おつまみ”ってある?」
と・・・