西澤さんと文子さん
大切な日

慌しさと不安な時間


数日後

「お父さん!早くしてください(怒)」
「やっぱり、行かないといけ・・・」
「ません!早くしてください!」

文子の実家では、慌しい時間が過ぎていく。複雑な気持ちがしている父の尻を叩きながら、母は準備を急がせる。別の部屋では実家に止まっていた智視が、準備を終え、部屋の窓を開けると煙草を一服。文子の部屋で不安そうな顔でメイクを進めていた。


「大丈夫かな・・・」
「文子、準備できたか?」


隣の窓から智視が文子に呼びかける。文子は、手にしていたリップをしまうと、バックを持って部屋を飛び出していった。


「兄貴~!!遅れるよ!!」
「待ってくれ!和明、俺、変じゃないよな?」
「大丈夫だって!」


西澤は、和明に何度もファッションを確認する。和明は、呆れて「ドンだけ時間かけるんだよ!」と怒り始める。

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