西澤さんと文子さん
「婚姻届…いつにしますか?」
文子がそう尋ねた時、西澤は茶色の封筒を胸ポケットから取り出す。そして中身を取り出した。
「俺は…鴨居がいる間にって思って。」
西澤が書かないといけない場所がすべて埋まった婚姻届がそこにあった。
「あとは、私だけですね。」
「はい。」
文子は、バックからボールペンを取り出すとすらすらと必要な箇所を記入していく。
「誰に書いてもらおうかな~(笑)」
親族以外が署名する欄…文子は、悩んだ結果、上司に頼む事にした。
「私…亮太さんのお嫁さんになるんですね。」
「俺は、文子さんの旦那になるんだね(笑)」
「ちゃんと…できるかな?」
「なにがですか?」
「亮太さんのお嫁さん(笑)」
「大丈夫ですよ(笑)」
婚姻届を挟んで交わされていく二人の言葉。それは、バーの空間さえも変えてしまいそうなくらい、幸せにしていた…