西澤さんと文子さん

テーブルには、から揚げにサラダ、スープにご飯が並んでいた。
初めて親子で作った料理を男性陣が次々と平らげていく。その姿を見て、文子はうれしくなる。


「文子さん。」


母が文子にこそっと話しかける。


「亮太は、気持ちをうまく伝えられないし、何でも溜め込んでしまう子だから、大変かもしれないけどあの子をよろしくね。」


「わかりました。」


文子のその返事を聞いて、ホッとしたかのように微笑んだ母。その姿を見て、なぜか文子もほっとした。

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