西澤さんと文子さん
「兄貴!文子さん!こっち向いて!」
和明が一眼レフのカメラを持って構えていた。二人はニコッと微笑みながら和明からの要請に答える。そして・・・
「行きますよ!」
文子はそういいながら後ろ見向くと、西澤と一緒にカウントを始める。
そして「「ゼロ!」」と大声で言うと、手にしていたブーケをそのまま後ろに放り投げた。そう、結婚式のラストイベント“ブーケトス”という名の“女子限定ブーケ奪い合い大会”である。
そして、文子が後ろを向いたとき、その結果が判明した。そのブーケを手にしていたのは、文子の後輩で、一番おとなしく一番地味な子だった。文子は、少し驚きながらも「がんばってその幸せ育ててね!」と彼女に伝えた。