西澤さんと文子さん
その頃、文子はというと・・・
「亮太さん、遅いな~・・・。」
晩御飯を作りながら愛する夫の帰りを待っていた。今日の晩御飯はカレーライス。文子は、カレーを煮込んでいる間、サラダのドレッシングを作る。
「パパ遅いですね~。」
と大きなお腹をさすりながら・・・。
文子は妊娠8ヶ月。会社で産休をとって、自宅で過ごしている。愛する夫、西澤の帰りが遅くなっていることを心配していると同時に寂しさも込みあがっていて・・・
「寂しいよ・・・亮太さん・・・」
と一人で泣いていることもしばしば・・・。
その頃西澤は、駅前の本屋にいた。向かった先は育児コーナー。
「子育ての悩み一刀両断・・・夫婦で子育てQ&A・・・どれがいいんだろう・・・?」
育児に関する本とさっと読みながら、これから生まれてくる我が子と愛する妻を思い浮かべる西澤。そして、数冊の育児本を選ぶとレジへと向かっていった。