西澤さんと文子さん
(え…え…え…?)
文子の頭の中は、パニック状態。それも気にせずに西澤は…
「お、俺は、こうしてるから…気にしないでください。」
そう言いながら、クルッと文子に背を向ける。
「ありがとうございます。」
文子は西澤の優しさに触れてまた泣きそうになるが、そこをぐっと堪えてバックからメイクポーチを取り出した。
数十分後
「すいません。お待たせしました。」
西澤は、すっと文子のいる方向に体を向ける。そこには、少しうつむきながら、申し訳なさそうにしている文子の姿・・・
「よかった。」
その文子の姿にホッとした西澤の口からこぼれた一言。その言葉に文子もホッとしていた。