西澤さんと文子さん
「お帰り。」
「暗いよ、兄貴!せっかく弟が帰ってきてるって言うのに(笑)はい、お土産。」
そういって、和明は西澤に紙袋を渡す。紙袋に書かれていた住所は、オーストリアのケアンズ・・・。
「また、何でケアンズ?」
「そこに美しい風景があるからさ(笑)」
「何それ(呆)」
「ちなみに、今度はニューヨーク行くから(笑)」
「いつよ?」
「1週間後。」
「そっか。身体に気をつけて。」
西澤はそういいながら、自室に戻ろうとするが・・・
「兄貴お見合いしたって本当?今日、その相手の女と会ってたんだろ?結果聞かせてよ(笑)」
「お母さんにも聞かせて(笑)」
2人に詰め寄られた西澤。少し動揺しながらも「・・・付き合うことになった。」と答えて照れながら部屋に戻った。
「マジか・・・あの兄貴が・・・」
「よかった・・・」
驚きを隠せない和明の横で、母の目には涙がこぼれていた。