西澤さんと文子さん
「そうかな・・・あっ、それどころじゃないの、助けて。誰かにつけられてる気がして。」
「えっ?今どこ、すぐ迎えに行くから!」
「ここにいるからいいよ(怒)」
すぐ近くで聴こえる由美子の怒った声。創輔はゆっくり顔を左に向けた。
「も~(笑)」
「・・・ごめん。誰と会うか知りたくて・・・。俺に内緒にするから・・・」
子供みたいにすねた顔をしながらそう言った創輔に、由美子は苦笑いをしながら「文子ちゃんだから心配しないで(笑)」と創輔の耳元で囁いた。
「本当に?」
「うん。」
「本当?」
「信じてよ(笑)」
「・・・うん。」
「じゃ(笑)」
由美子は、創輔の頬に軽くキスをしてから駅の方向へと歩いていった。