西澤さんと文子さん
兄として・・・
「さ、食べましょうか。」
そう言って、小さな土鍋で作られたお粥を部屋から出て来た由美子に渡す。
テーブルに並べられる料理と3つのグラス。創輔は、そのうちの2つのグラスに瓶入りの水を注いでいく…
「西澤さん。」
「は…はい…」
「単刀直入に聞きます。あなたにとって文子はどれくらい大切ですか?」
鋭い目付きで西澤を見つめながら、創輔は言い放った。その目付きだけで怯えてしまった西澤。震える右手でグラスを掴み水を飲み干した。
「文子は、俺にとって大切な妹だから…正直、俺より年上の彼氏っていうだけで、心配なんすよ(笑)」
少し笑いながら、トマトとチーズのサラダに口を付ける。
しばらくの沈黙
部屋の空気が重くなっていく。