西澤さんと文子さん
お見合い当日
「めんどくせ・・・。」
「めんどくさいじゃないでしょう。もう40近いんだから、身を固めなさい。」
着慣れたジャージから着慣れないスーツに着替えさせられ、会場までタクシーに乗せられる西澤。横には母親が座り、逃げ場所がなかった。仕方なく、携帯電話のメール機能で執筆。
そして座敷に座らされ、堅苦しさを感じていたとき・・・
「ふみちゃん、こっちこっち!」
(うわ・・・来た・・・)
「失礼します。」
西澤の目の前に、着物姿の文子が座る。
(こいつも俺と同じだな。早く終わらせてやりたいな・・・。)
そして西澤は、お見合いを早く終わらせる為に、文子に自分を“あまりよくないイメージ”で見せるようにした。