西澤さんと文子さん
部屋のリビングにまで引きずってきたところで、文子は西澤を床に転がしたまま、休憩を取っていた。床に力なく座り込んだ文子に、泥酔しきっている西澤が急に起き上がり・・・
「文子しゃ~ん!」
「きゃ!」
後ろから力いっぱいに抱きしめた。驚いた文子は、何とかして腕を振りほどこうとするが、あまりの力になすすべもなく、もがくことしか出来なかった。西澤は、そんな文子の頭のすぐ上で必死に弁解する。
「本当に~信じてくださいよ~(泣)俺だって、信じられないんですよ~!友達が~いろいろ手術して~、女になって帰ってくるってことが!」
「わかりましたから、離れてください!苦しいです!」
「嫌だ!文子しゃんと一緒にいる!離れたくない!」
そんなやり取りをしているうちに、文子も西澤もいつのまにか眠ってしまった。
朝5時
文子がふと目を覚ますと、西澤の胸元に顔をうずめて眠っていたことに気づく。その時の状況を考えるだけで顔が紅くなってくる・・・