きっと、片思い。 <<==短編==>>
 そろそろ友達がキレそうだ。


 そう思って、ちょっかいを出すのをやめることにした。



 すると、右側から手が伸びてきて、私の前の子の背中をなぞった。





 前の子は「ひゃぁ」と小さく悲鳴をあげると、くるりと後ろを向いて

「さーきー!」


 と、小声で怒った。




 今のは私じゃないよ!

 そういう意味を込めて、右側を指差した。



 右側では、川田がそれを見て笑っている。




 それから何を話していたのだろう。


 気がついたら、自分はきくのかと聞かれていた。




 私はこちょこちょきかない、と言うと「俺も」と言って笑った。


 その後、川田は驚きの行動に出た。






 私の太ももを人差し指でなぞった。


 あまりの急なことに、私もびっくりして「ひゃっ」と小さく声を出してしまった。



「きくじゃん」


 川田はそう言って笑った。








 普通、男の子が女の子の太ももを触る…?



 私の胸はドキドキしたままだった。
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