僕の身長で愛を測らないで下さい。
山田はわたしに話した。



戸波先生との出会いから、結婚するまでと結婚生活と、離婚について。


結婚して何年かたって、山田は幸せの真っ只中にいた。


「ほんと、こんなに幸せでいいのかなってくらい幸せだったよ。」


山田は悲しそうに言った。


山田には、幼なじみの女性がいる。。


美香さん、というその人は、山田と幼稚園から大学までずっと同じで、山田と美香さんがそれぞれに結婚してからも家族ぐるみで付き合いのある人だった。


ある日、美香さんの幼い息子が、事故で亡くなった。


美香さんは旦那さんとそれが原因で離婚。


両親と仲の良くない美香さんは、友達の家に住んでいたが、心配だった山田はしょっ中美香さんに会いにいった。


よく家にも招いていたらしい。


ある日のこと、その日は休日で、めずらしく山田も戸波先生もユウ太くんも家にいた。


戸波先生が美香さんを誘ってご飯でも食べに行こうと言って、


美香さんを家に呼んだ。


美香さんは大人しくて優しい感じのする人で、戸波先生も気に入っていたらしい。

お茶を入れようと戸波先生が台所にむかったとき、美香さんは山田に言った。


「君はわたしの初恋の人なんだ。」


唐突のことに山田はどう反応していいかわからなかった。


次の瞬間、美香さんの唇が山田の唇に重なっていた。
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