僕の身長で愛を測らないで下さい。
途中で女の子たちとか、先生とかに、すんごい変な目で見られたけど、俺は何とか迷路のような建物から抜け出し、あの日の今となっては幻のように思える庭園を探した。


やっぱり、俺が行ってる高校なんかとは全然規模が違う上に、外観重視なのかものすごく複雑な道をぬけて、俺はようやくたどり着いた。


綺麗な花々に守られて、女の子たちのクスクスと笑う声が微かに聞こえる。


俺はミミ子ちゃんを探した。


何となく、ここにいる気がしたから。


「ミミ子ちゃん」


俺は小さくミミ子ちゃんを呼んだ。


「うえっ」


俺は花にうずもれたそこから、嗚咽が漏れるのを聞いた。


「ミミ子ちゃん」


俺は微笑んだ。


そこには、あの日のように小さくなって泣いているミミ子ちゃんがいた。


俺はしゃがみ込むと、ミミ子ちゃんの頭をそっとなでた。


「だって……山田のやつ、ほっといたら、ひくっ、すんごいうじうじしてそうだったから!」


ミミ子ちゃんが何かに言い訳するようにしゃくりあげる。


「うん……」


「山田って、ひくっ、アホだからっ、一人じゃいつまでたってもユウ太くんに会おうとしないと思ってっ」


「うん」


「ホントはやだ、けど、山田には……」


ミミ子ちゃんのふわふわの髪の毛が風にやさしくゆれる。


「幸せ、なってほしい、から」


「うん」


俺はそっとミミ子ちゃんを抱きしめた。


心の中で何度もあやまる。


ごめんね、つらい思いさせて。


ごめんね。


「山田のこと、好きだから……」


俺の胸は愛おしさでいっぱいだった。


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