僕の身長で愛を測らないで下さい。
かけがえのないこの気持ち。


ユウ太くんへの想い。


この気持ちが恋に変わったとき、それはどんなに素敵な恋なんだろうと、らしくない乙女な妄想が頭の中を駆け巡る。


大好きで、愛してる。


山田のことは、きっとふっ切る。…………いつかっ!


「ねぇねぇ、ミミ子ちゃんっ」


空きテナントの、外からは見えない死角に二人で並んで座ってると、いきなりユウ太くんがはしゃいだ声をあげた。


さっきまでこちらに見向きもしないでおとなしく絵を描いてたのに。


「…なに」


「付き合ったらさ、帰るとき、手ぇつなげるねっ‼」


瞳をキラキラさせてわたしを見る。


「あーあーそうね」


わたしはユウ太くんの無邪気っぷりにたじろぎながらも精一杯優しく返事をした。


「えっ…ミミ子ちゃんは嬉しくない…?」


ユウ太くんはわたしの返事が気に入らなかったようで途端にしょぼんとする。


わたしはあー嬉しい、それ嬉しいとユウ太くんの頭をなでてやった。


ユウ太くんの頬がひきつる。


「なんか、すっごく適当にあしらわれた気がする。」


そりゃ、適当にあしらったのだから、そう思って当たり前だ。

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