僕の身長で愛を測らないで下さい。
「そういえば、君わたしの名前知ってるんだね。」


「ああ、うん。あの子が叫んでるの聞いたから。」


あの子、という時彼の頬がぽっと赤く染まった。


うっ、アユ芽ちゃんじゃないけど可愛いよなぁ。


いちご大福みたいで。


「そっかぁ、君の名前はなんて言うの?」

「ああ、ゆってなかったもんね。戸波祐太、和誠の二年です。」


へっ?和製の二年?


和製と聞こえた言葉を和誠と変換するのに数秒かかって、わたしは二年だということに静かに驚いていた。


わたしと同い年。見えないなぁ。


彼の場合、背の低さと童顔があいあまって小学生でも通りそうだ。


「ウソじゃないからね。」


わたしの心を読んだのかユウ太くんはピシャリと言った。


「う、うん。ウソだなんて思ってないよ。」


わたしにも、自己紹介してウソだろみたいな白い目された経験があるから、他人事では無かった。


「えっと、わたしもあらためて、上松未美子、明橋の二年です。」


「お、同い年⁉」


はい、そうですが。


いまの一言で彼への親近感が一気に吹き飛んでしまった。



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