僕の身長で愛を測らないで下さい。
「二人ってすごく仲いいよね。」


「わたしとミミ子は運命共同体なの。」


「いや、違うから。」


わたしと運命を共にするのはアユ芽ちゃんの自由だが、アユ芽ちゃんが崖から落ちたとしてもわたしは後を追う気はない。


「明橋女学館ってお嬢様学校の印象しかないんだけど、アユ芽ちゃんはお嬢様?」

アユ芽ちゃんがわたしから受けた傷で悶えながらも答えた。


「うん」


はっきりしていてよろしい。



「へぇ、やっぱりそうなんだ。学校全体がお上品な感じなのかなぁ。」



「全然」


わたしとアユ芽ちゃんの声が重なった。


ここは即否定しておかなければ。



お嬢様に羨望の眼差しを向ける全国の男子たちを騙しておく気はない。



わたしたちの日常を知っても夢を壊されたと嘆かれないために。


男の涙って暑苦しいから。
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