僕の身長で愛を測らないで下さい。
「え~、全然だなんて。だってお嬢様でしょ?」


ユウ太くんは冗談でも聞いたように笑った。


目の前でアユ芽ちゃんという生き物が息をしているというのに、ユウ太くんの中のお嬢様像はそんなに確たるものなんだろうか。



「ウソだって思うなら、今度のうちの学園祭来たらいいよ。」



お嬢様がたが暴れまくってるから。



「へ?えっと……それは」


絶対飛びついてくると思ったのに、ユウ太くんは何やら顔を赤らめてどもった。



「うーん、無理だ。」


「え~、ユウ太くん、来なよ」


アユ芽ちゃんがぶりっ子モードでユウ太くんを上目遣いに見ながら言った。


うえ、アユ芽ちゃんがやるとさまになるから逆に気色悪い。



「ごめんね、やっぱ無理だ。」


ユウ太くんはせいだいに頭をかいた。



アユ芽ちゃんの頼みでもだめなんだ。



「なんで?」



わたしは純粋に疑問を抱き、首を傾げた。


「うーん……ごめ…」


「ユウ太のお母さんは明橋で教師してるんだよ。」


ヒロ人くんがユウ太くんの言葉をさえぎるように言った。



ユウ太くんが心なしかヒロ人くんを睨む。



「え?そうなの?」



わたしは驚いて声を上げた。









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