僕の身長で愛を測らないで下さい。
わざわざわたしのところまで来て、


「どうした?ひしゃげたネズミみたいな顔になってるぞ。」


と小声で言うと、


ツンっとわたしの頬をつついた。


「な、何ですか⁈」


クラスの視線がすでにこっちに集まっていることはわかっているけど、わたしは小声で返して、さらに強く山田を睨みつけた。


「勉強でわからないところがあったら聞きに来いよ。ただし理系以外な。」


どこ吹く風の山田はそう言うと教卓の方に戻ってしまった。


何なんだ、いったい。


ツンっとされたところが、熱い。


わたしは手がかすかに震えるのを必死でおさえてペンを動かした。
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