僕の身長で愛を測らないで下さい。
「ミミ子ちゃんとアユ芽ちゃんってどこのクラスなんだろ。」


俺は校門のところで配られた文化祭のパンフレットを見ながらため息をついた。


「なんで、メアド交換するの忘れてたんだろう。」


アホなことに、俺たちは連絡先を交換するのを忘れていた。


あの日以来、会ってもいなければ、電話もしていない。


「ユウ太、ここ行こう」


辛気臭い顔をしている俺の横で、ヒロ人が瞳をきらきらさせて地図を俺に見せた。


「ここ、二年A組、恐怖の館。」


「…うーん、実にシンプルで人の真摯に訴えるネーミングだね。」


俺は遊園地のお化け屋敷とかはあまり得意じゃない。


友達に引きずられて無理矢理入れられるタイプだ。


でも、ヒロ人のきらきらした瞳を見てると、嫌だ、というのも気がひける。


「行ってみる?」


「うんっ」







< 60 / 153 >

この作品をシェア

pagetop