僕の身長で愛を測らないで下さい。
結局、クラスが分かったんだから、後で行って謝ればいいだろ、というグダグダな結論にいたった。


「お腹が空いた。」


とエネルギー補給を無表情で求めてくるやつがいるので、とりあえずなんか買って食べることにした。


「綿菓子いりませんかぁー」


「はうっ」


綿菓子という言葉に反応した俺は人の下をすり抜けてお店に辿り着いた。


「ユウ太!迷子になるって。」


後ろにうるさいやつがいるけど知るもんか。

「お姉さん、綿菓子下さい。」


同い年or年下の可能性大だけど、俺はニコニコ笑ってそう言った。


お嬢様お姉さんはくすくす笑うと、


「ごめんね、列に並んで待ってね。」

とにっこりした。


か、かわいい。


俺が見惚れていると、ようやく辿り着いたヒロ人が俺の腕をつかんで、列の最後尾に並ばせた。


あきれたようにしみじみと、


「ユウ太ってすぐにぽぉっとなっちゃうよね。」


と言って、俺がどこにも行かないように、がっちりと腕をつかんだ。


……これではますますイケメンの兄ちゃんにくっついてきた、大福似のブラコンな弟じゃないか。

俺の恨みがましい視線と、女の子たちのうっとりとした視線を見事に無視して、ヒロ人はぼぉーっと空を眺めていた。





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