僕の身長で愛を測らないで下さい。

「うぉい、ちびっ子、お前単語力ないなぁ。」


山田が人の悪い笑みを浮かべてわたしの席の横に立つ。


「ちびっ子ではありません!上松です‼」

わたしはキッと噛みついた。


「なんでまた……」


「いいなぁ、ミミ子ちゃん。」


クラスメイトはこっそりささやきあっている。


入学から二ヶ月。


山田がわたしをちびっ子と呼んでからかい、それに噛みつくのがいつのまにか日課になっていた。


美術部に入り、優しい先輩方に囲まれ、ついでにクラスでは不思議な友達もでき、わたしの女学館ライフは結構充実している。


…アホ担任さえいなければ、こんなにキリキリしなくてすむのに。




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