僕の身長で愛を測らないで下さい。
ある放課後、美術室に行くと、数人の先輩方がわたしの絵の前にいた。


「暗いよねぇ。」


「うん、わたしも思ってた。」


彼女たちの目はわたしの絵に注がれている。


海の絵だ。


「ミミ子ちゃんの描く絵って入学からずっと見てるけど、明るい絵ってないよね。」


「うん…暗い。」


「ミミ子ちゃんもねぇ、悪い子じゃあないけど、少し怖いのよね。気配がお人形さんみたいで。」


「うん…まぁね。」



聞けたのはそこまでだった。


わたしはそれこそ人形みたいな表情で、そっと美術室を離れた。


怖かった。


あの会話が、どこまでエスカレートするのか。


わたしはかたかた震えながら、廊下を歩いた。


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