『さよなら』から始めよう



黒いパーカージャージ
ヤンキーの王道に
身を包む高野


似合う似合わないより
着易さ重視の服が
身についている


窓を下げると
後方から
単発なクラクションが鳴り
振り返る高野は
怪訝な表情を見せた


「停めてくる」


声を掛けると
車から離れた高野が
ミラー越しに後方の車を
睨み付けている姿が映った



何年経っても
血の気は まだ
残っているらしい



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