『さよなら』から始めよう



役に立たない警備員が
オレンジ色の誘導棒を
ただ横に振るだけで


駐車場整理など
更々 する気は
ないようだ


奥まった駐車場に
車を停め
携帯と煙草と財布を
ポケットに押し込む


店前の照明に照らせれ
寒そうに剥き出しの素足を晒し
小刻みに足を揺らす
茶髪の若い娘達を横切り


ライテェングさえしていない
陳列してある自転車の前に
煙草を燈し
居場所を伝える高野が居る


若くはない証明ように
ひっそりと佇む姿が
若干 大人びて見えた



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