『さよなら』から始めよう



車に乗り込み
助手席を下げる高野


「何処行く?」


高野任せに
投げ掛けた問い


「ラウンド1でも 行くか?」


在り得ない回答に
項垂れる


「男ふたり ミニバイク競って
 何が楽しいんだ」


「乗らなきゃいいじゃん
 ミニバイク」


「そう言う問題か?」


高野は女が飾りつけた
ハイビスカスの灰皿を
手に取り


「冗談だ 飲み行こうぜ」


「……代行か」


「ま そう言うなよ
 お前の愚痴でも聞いてやらねぇとな」


狭い田舎町
情報網だけは
今だに機動してるらしい



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