『さよなら』から始めよう



失恋の痛手を
腹立たしく
感情に現せたなら


化粧水の瓶を
窓硝子目掛け
投げつけられただろうが


理性を保ち
割れた破片を
誰が片付けるのだと
脳裏に渦巻けば


キャップを丁寧に廻し
内蓋を爪で抉じ開け


シンクに流し捨てれば
透明の液体が流れ堕ち
呆気なく空になる


無意味な抵抗を終え
茫然としながら


捨てずに飲み干してやれば
不快感が持続しただろうにと
くだらない後悔をした



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