Happy birthday
「柚木~貰ってやれよ!菊池はさ~柚木が…むぐっ」
「馬鹿!それ以上言うな!黙れ!!」
他の男子が何か私に言おうとしたが、
キーホルダーをくれようとしている男子…菊池くんが口を押さえて止める。
男子が大人しくなると、菊池君は改めて私を見た。
「日頃のお礼だし、俺こんな可愛いの使わないから貰って?なっ?」
菊池君がそう言いながら私の右手を掴んだ。
手の平が上に向くように持ち上げられると……
「…触るな」
それは、低い声だった。
私と菊池君が「えっ?」と2人揃って声を上げ、低い声がした方を向こうとすれば、
グイッと私の右手が掴まれ引っ張られる。
そのまま、菊池君とは手が放れ、
私は引っ張られる力から席を立って、誰なのか確認する間もなく連れ出される。