Happy birthday
髪型…背中…身長…
目の前に見えているのは…
私を引っ張っているのは…
間違えるはずがない。
一年近く見ている彼……石井透真で……
彼がどんな思いで私の手を引き歩くのか、私には全くわからない。
いつも興味の無い事には無気力な顔で…
朝はテンションが低くて…
でも、興味のある事には目を輝かせて、天才的な実力を発揮する彼……
透真は階段をひたすら登って、屋上のドアを開けた。
透真が屋上に出れば、手を掴まれた私も必然的に屋上へ出る。
私の後ろでバタンと重たい鉄のドアが閉まれば、
透真はクルッと振り返って、無表情で私を見た。