Happy birthday
後で、彼が同じクラスな事はわかったけど、何だか恥ずかしかったし、彼は覚えてないと思ったから、私の胸に留めといたんだ。
「何だかあの日の事が忘れられなくて…目に焼き付いて…。
夏のコンクールであの時見た桜を描いたんだ」
あの日、透真を好きになって、彼の世界を少しでも知りたくて行った展示会。
あの絵…あの時の桜に似ていたから…私はまた見入っていたんだ。
「展示会で、自分の作品のところへ行ったとき、
雛子が絵の前に立ってたのを見て……春のあの日のデジャヴみたいな感覚があって……
その様子を見て気付いた。
俺はあの子が…
柚木雛子があの時から好きで…目に焼き付いて居るんだって……」